疲れやすい・だるい
- RAJA Inc. 株式会社ラジャ

- 10月10日
- 読了時間: 3分
更新日:11月26日
「最近疲れやすい」「なんとなくだるい」
こうした症状は誰にでも起こり得ます。疲れを感じる仕組みは、単に筋肉が疲弊しているだけではありません。
体のエネルギー代謝や酸素供給のバランスが崩れると、脳(視床下部・大脳皮質)がそれを感知して「休め」という信号を出し、倦怠感として自覚されます。また、炎症性サイトカインやホルモンの変化(コルチゾール・アドレナリンなど)も関与し、心身両面に「疲れ」の感覚が生じます。
主な原因となる生活習慣病
糖尿病
高血糖状態ではブドウ糖が細胞に取り込まれにくく、エネルギーを有効に使えません。筋肉や脳が「ガス欠」のような状態になり、強い疲労感を引き起こすことがあります。また、高血糖に伴う脱水や神経障害も、だるさの一因となります。
高血圧・脂質異常症
これらは多くの場合は自覚症状がなく進行します。しかし、血管に長年負担をかけ続けると、動脈硬化や心肥大を通じて血流が悪くなり、心不全に至った段階で「疲れやすい」「息切れ」といった症状が出ることがあります。直接の疲労感は少ないものの、将来的に疲れの原因となる重大な疾患を引き起こす点で注意が必要です。
睡眠時無呼吸症候群
睡眠中に呼吸が何度も止まることで脳や体が十分に休めず、日中の強い眠気や倦怠感を引き起こします。高血圧・糖尿病・心疾患とも深く関係しており、生活習慣病の悪化要因にもなります。
鑑別が必要な病気
疲れやすさの背後には、生活習慣病以外の疾患が潜んでいる場合もあります。
甲状腺機能異常
バセドウ病(甲状腺機能亢進症):甲状腺ホルモンが過剰になり、代謝が過度に高まり、動悸や体重減少とともに強い疲労感が出ます。
橋本病(甲状腺機能低下症):ホルモンが不足し代謝が低下するため、冷え・むくみ・気力低下を伴う持続的なだるさを感じます。
心臓の病気
心不全では、ポンプ機能の低下により十分な血液を全身に送れなくなります。そのため、階段を上るなど軽い動作でも強い疲労や息切れが現れます。不整脈でも同様に血流不足が起こり、だるさの原因となります。
血液やがんの病気
貧血:赤血球やヘモグロビンが不足し、酸素供給が足りなくなることで全身が酸欠状態となり、強い倦怠感が出ます。
悪性腫瘍(がん):がんそのものや炎症反応により体力を消耗し、原因不明の疲労や体重減少を伴うことがあります。
まとめ
疲れやだるさは「休めば治る一時的なもの」と思われがちですが、背景には糖尿病による代謝異常、甲状腺ホルモンの異常、心臓・血液の病気、さらには睡眠時無呼吸症候群のような睡眠障害が隠れていることも少なくありません。もし疲れが長く続く、あるいは体重減少・動悸・むくみ・日中の強い眠気など他の症状を伴う場合には、早めの受診が必要です。
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