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外来でのインスリン導入と日常生活での工夫

「インスリン治療=入院」というイメージを持たれる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし現在は、外来でのインスリン導入が一般的になっており、通院しながら日常生活を続けつつ治療を始めることができます。

外来導入のメリットとは?

  • 入院のための時間や費用の負担が少ない

  • 自宅の生活リズムを保ちながら治療できる

  • 通常の生活環境の中で、実践的にインスリン注射を習得できる

特にお仕事や家事で忙しい方にとっては、無理なく治療をスタートできる選択肢として外来導入が適しています。

一人ひとりに合わせた丁寧な指導

インスリン療法を安全かつ確実に行うためには、ご本人の理解度や不安の有無に応じた説明が欠かせません。
はじめての方でも安心して取り組めるよう、注射の方法・タイミング・注意点などを段階的にご説明します。

一度覚えたら終わりではなく、実際に使ってみてからの「つまずき」や「不安」にも対応することが大切です。

高齢の方でも導入できます

「年齢的に難しいのでは…」と心配されることもありますが、
実際には80歳以上の方でも問題なくインスリン治療を開始されている例が多くあります。

必要に応じて家族と一緒に練習したり、注射器の種類を工夫したりすることで、
高齢の方でも安心して自己注射を行えるようになります。

日常生活にあわせた柔軟な対応が重要です

インスリン療法では、以下のような場面で「どうすればいいのか迷う」という声をよく聞きます:

  • 外食やコース料理のとき

  • 食事を抜いたとき(例:夕食を食べない日)

  • 運動前後の調整

  • 糖質制限を行うとき

これらはすべてケース・バイ・ケースでの対応が必要になります。
無理な中断や過剰な調整によって、思わぬ低血糖や高血糖を招くこともあるため、個別に合わせたアドバイスが大切です。

より細かな調整や経済的配慮も可能です

インスリンは通常「1単位ごと」に調整しますが、
必要に応じて0.5単位刻みで使える注射器もあり、より細かなコントロールが可能になります。

また、注射器には以下のような選択肢があります:

  • プレフィルドタイプ:薬があらかじめセットされており、簡単で扱いやすい

  • カートリッジ交換タイプ:薬剤だけを交換できるため、コストが抑えられるメリットも

どちらを選ぶかは、注射回数やご本人の使いやすさ・経済的な希望などを総合的に見て決めることができます。

次のページでは、インスリン療法を通じて膵臓を守るという考え方と、「糖毒性の解除」について解説します。
▶ [膵臓を守るためのインスリン ― 糖毒性の解除とは?]

千葉駅前クリニック

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