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腸内環境と糖尿病
全身の健康を支える「腸」からのアプローチ

私たちの腸の中には、100兆個以上もの細菌がすんでいて、「腸内細菌叢(ちょうないさいきんそう)」と呼ばれています。これらの細菌は、食べ物の消化や吸収を助けるだけでなく、免疫の働きを支えたり、ホルモンのバランスを整えたり、体全体の健康に関わる大切な役割を持っています。

最近の研究では、腸内環境が乱れることで、インスリンの効きが悪くなったり、体の中で炎症が起きやすくなったりして、糖尿病の発症や進行に影響することがわかってきました。とくに、善玉菌と呼ばれる細菌は、インスリンの働きを助けるホルモン(GLP-1など)の分泌をうながし、血糖値の安定にも関わっていることが注目されています。

糖尿病の治療では、「食事」「運動」「睡眠」「ストレスケア」とあわせて、「腸内環境を整えること」もとても大切です。毎日の食事やお通じ、体調の変化を見直すことで、腸から全身の健康につなげていくことができます。

 腸内環境は、糖尿病だけでなく全身の健康にも

腸が整っていることは、糖尿病の予防・管理だけでなく、以下のようなさまざまな健康の維持にもつながります。

  • 高血圧・脂質異常症・肥満など生活習慣病の予防

  • 免疫力の維持、感染症のリスク軽減

  • アレルギーや肌トラブルの緩和

  • 睡眠や気分の安定(腸と脳のつながり)

つまり、腸内環境を整えることは、体と心の健康基盤を強くすることでもあります。

 日常生活でできる腸内環境への配慮

腸内環境を良好に保つためには、毎日の食事の選び方がカギになります。

  • 発酵食品(味噌、納豆、ぬか漬け、ヨーグルト、キムチなど)を日常的に取り入れる。

  • 食物繊維(野菜、豆類、海藻、きのこ、雑穀など)を意識して摂り、腸内の善玉菌を育てる。

  • 市販の乳酸菌飲料には注意。
     → 多くの製品には、砂糖や異性化糖(果糖ぶどう糖液糖、ぶどう糖化糖液糖、高果糖液糖など)が多く含まれており、血糖値の急上昇や中性脂肪の増加、肝機能への悪影響が懸念されます。

  • 加工度の低い自然な食品を選ぶ。

  • 乳化剤や人工甘味料などの添加物は、腸の粘膜や腸内細菌のバランスに影響を与える可能性があるといわれています。気にしすぎる必要はありませんが、摂り過ぎには少し注意してみると安心です。

 まとめ

腸内環境は、糖尿病だけでなく、代謝・免疫・心の安定にまで関わる、全身の健康を支える重要な要素です。
毎日の食事選びが、未来の血糖コントロールと生活の質を左右します。

今日の一食が、腸を元気にし、あなたの健康を静かに支えてくれます。
できることから、心地よく続けてみましょう。

千葉駅前クリニック

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