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ストレスと糖尿病
ストレスホルモンが血糖値に与える影響

糖尿病の治療というと、食事や運動、薬の調整を思い浮かべる方が多いかもしれません。けれども、「ストレス」もまた、血糖値に大きく影響を与える重要な要因のひとつです。

 ストレスはなぜ血糖値を上げるのか

 

ストレスを感じると、私たちの体は「戦う・逃げる」状態を準備するために、交感神経が活性化されます。その際に分泌されるのが、アドレナリン・ノルアドレナリン・コルチゾールなどの「ストレスホルモン」です。

これらのホルモンは、肝臓からの糖放出を促進し、血糖値を上げる働きがあります。さらに、インスリンの効き目(感受性)を低下させるため、同じ食事量や運動量でも、血糖が上がりやすくなります。

慢性的なストレスが続くと、インスリン抵抗性が進行し、2型糖尿病のリスクが高まることも報告されています。実際、うつ病や不安障害を抱える方の中には、血糖値の変動が大きくなる傾向がみられています。

 ストレスは、生活リズムをくずす小さなきっかけに

ストレスはホルモンの働きだけでなく、私たちの行動や習慣にも強く影響します。

  • 甘いものや炭水化物の「ドカ食い」につながる

  • 寝つきが悪くなり、睡眠の質が低下する

  • 運動する気力がわかず、活動量が減る

  • 飲酒や喫煙が増えやすくなる

こうした変化は、血糖コントロールにとってマイナスに働き、合併症のリスクも高めてしまいます。

 ストレスをやわらげることも、治療のひとつです

糖尿病の治療では、薬や生活習慣の改善だけでなく、自律神経やストレスへのアプローチも欠かせません。

「心と体のバランス」が整ってこそ、安定した血糖値が維持されます。

 ▼ 日常生活でできるストレス対策の例:

  • 深呼吸や瞑想、ゆっくりしたウォーキングなどの軽い運動

  • 好きな音楽、入浴、読書など、気分がゆるむ時間を確保する

  • 睡眠の質を上げる:寝る前のスマホやカフェインを控える

  • 気分の落ち込みや不安が長く続く場合は、早めに医師に相談する

 

 まとめ

糖尿病の治療において、「ストレス」は決して見過ごせない要素です。ストレスが続くと、ホルモンバランスの乱れや生活習慣の変化を通じて、血糖コントロールが乱れやすくなります。

薬や食事・運動だけでなく、「こころのケア」も含めた包括的なサポートが、安定した血糖管理につながります。

できることから、少しずつ。ストレス対策も、未来の健康を守る大切な一歩です。

高山の牧草地で瞑想する女性

千葉駅前クリニック

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