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睡眠と糖尿病
眠りの質が血糖を左右する

私たちの体は、寝ているあいだもちゃんと働いています。
血糖値を安定させたり、ホルモンのバランスをととのえたり――こうした大事な仕事が、夜のあいだに行われているんです。
だからこそ、ぐっすり眠ることが、糖尿病のコントロールにもつながっていきます。

 睡眠不足が血糖コントロールを乱す理由

 

最近の研究では、寝不足が続いたり、眠りの質がよくない日が続いたりすると、血糖のコントロールが乱れやすくなることがわかってきました。
その理由として、体の中で起きているいくつかのしくみが関係しています。

 インスリンの効きが悪くなる

睡眠不足は、筋肉や脂肪組織でのインスリンの効き目を低下させ、結果的に血糖値が上昇しやすくなります。

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  食欲のバランスがくずれる

十分な睡眠がとれないと、「お腹がいっぱい」と感じさせるホルモン(レプチン)が減り、「もっと食べたい」と感じさせるホルモン(グレリン)が増えてしまいます。
そのため、つい食べすぎたり、間食が増えたりしやすくなります。

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  自律神経のバランスが乱れる・ストレスホルモンが増える

寝不足が続くと、体が緊張状態になりやすく、コルチゾールやアドレナリンといったストレスに関係するホルモンが増えます。これらのホルモンは血糖値を上げる方向に働きます。

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 体の中で炎症が起きやすくなる

眠りの質が悪い状態が続くと、炎症を引き起こす物質(IL-6やTNF-αなど)が増えて、血管や代謝に悪い影響を与えるといわれています。

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 よい眠りのためにできること

糖尿病を上手にコントロールするためには、「ぐっすり眠ること」もとても大切です。
毎日の生活の中で、以下のようなポイントを意識してみましょう。

 

 ​毎日ほぼ同じ時間に寝て、同じ時間に起きる
体のリズム(体内時計)が整って、ホルモンの分泌もスムーズになります。

 寝る前1〜2時間はスマホやパソコンをなるべく使わない
スマホなどのブルーライトは、眠りをうながすホルモン(メラトニン)の分泌をじゃましてしまいます。
30分だけでも控えるようにすると、入眠がスムーズになります。

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 寝る直前の食事やお酒はひかえめに
寝る直前に食べたり飲んだりすると、消化が活発になって眠りが浅くなったり、途中で目が覚めたりする原因になります。

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 日中はなるべく体を動かして、外の光を浴びる
特に朝の光は、体内時計を整え、夜になったときの自然な眠気を助けてくれます。

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 コーヒーや紅茶、濃いお茶は午後の早い時間までに
カフェインの効果は長く続くため、夕方以降に飲むと眠りにくくなることがあります。夜に飲みたいときは、ノンカフェインの飲み物を選ぶのもおすすめです。

 まとめ

 

眠りは、ただ体を休めるだけではなく、血糖値を安定させたり、心と体を整えたりするための大切な時間です。

「寝つきが悪い」「夜中に目が覚めやすい」といったお悩みがある方は、睡眠の質を見直してみることが、血糖コントロールにもつながります。まずはできることから、やさしく始めていきましょう。

千葉駅前クリニック

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