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1分でも意味がある
運動継続のコツ

運動は、血糖値を安定させるだけでなく、インスリンの効きやすさ(感受性)を改善し、脂肪肝や動脈硬化の予防にもつながる、大切な治療の柱のひとつです。

特に糖尿病では、筋肉が血液中のブドウ糖を取り込んで燃やす「最大の器官」であり、筋肉量が多いほど血糖が安定しやすくなることが分かっています。

とはいえ、「毎日30分以上運動しなければ意味がない」と考えてしまうと、忙しい日や体調のすぐれない日には継続が難しくなります。

実は、わずかな運動でも体にとっては十分な刺激になり、継続することで確かな変化が生まれます。

● 食後1〜3分の歩行でも、血糖値の上昇を抑えられます

近年の研究では、食後に1〜3分程度の軽い歩行を行うだけで、血糖の急上昇を抑える効果があることが報告されています。
とくに、食後30分以内に体を動かすことで、筋肉がブドウ糖を取り込みやすくなり、食後高血糖の改善につながります。

「わざわざ運動の時間をつくる」のではなく、「食後にちょっと歩く」だけでも、立派な運動です。

● 筋トレも、1分でも“意識して使えば”意味があります

腕立て伏せやスクワットが1分しかできない、あるいは数回しかできない。
それでも大丈夫です。

筋肉は、どれだけ長く動かしたかよりも、どれだけ意識して使ったかで反応が変わります。
短時間でも、筋肉に刺激を与えることができれば、インスリンの効きを助ける効果が期待できます。

特に高齢者や運動初心者にとっては、軽い筋トレでも、筋肉量の維持やフレイル予防に十分な効果があります。

● 脳も「続けること」を助けてくれます

運動後に「気持ちがすっきりする」「前向きな気持ちになる」と感じたことはありませんか?
これは、運動によってエンドルフィンやドーパミンなどの脳内ホルモンが分泌されるためです。

こうした心地よい体験をくり返すことで、脳が「この習慣は必要」と判断し、約2か月ほどで“自然とやりたくなる状態”に変化していきます。これが“習慣化”です。

● 工夫しだいで、生活の中に自然に取り入れられます

運動は、特別な時間や道具がなくても大丈夫です。
次のような工夫を生活に取り入れてみましょう:

  • 入浴前にスクワットを10回

  • 通勤や買い物で、エスカレーターではなく階段を使う

  • ウォーキングに軽い筋トレやストレッチを組み合わせる

  • 立っている時間を増やす(例:歯磨き中のつま先立ち)

また、ライフスタイルに合う運動環境を整えるのもひとつの方法です。
たとえば、24時間営業・土足OKのジムは、時間の制約なく利用でき、継続しやすくなります。

● 「できたこと」を認めて、積み重ねていきましょう

「今日は1分しかできなかった」と思わず、
「今日は1分でも体を動かせた」と前向きにとらえてみてください。

その1分の積み重ねが、血糖値の安定、筋肉量の維持、そして未来の健康を支えてくれます。

完璧を目指す必要はありません。
“できることを、できるときに、続けていく”ことが、もっとも大きな力になります。

 まとめ

運動は、血糖コントロールやインスリン感受性の改善、筋肉量の維持に効果がある、糖尿病治療の大切な柱のひとつです。

たとえ1分でも、食後に軽く動いたり、筋肉を意識して使ったりすることが、確かな変化につながります。

「できることを、できるときに、続ける」。
その積み重ねが、将来の血糖や体の健康を静かに支えてくれます。

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