予約制 糖尿病専門外来
千葉駅前クリニック
糖尿病の方の熱中症対策
水分補給の工夫と、薬の特徴にも注意を
夏の暑さが厳しくなると、熱中症による体調不良が増えてきます。
糖尿病のある方は、体内の水分バランスが崩れやすく、脱水や高血糖が悪化しやすいため、特に注意が必要です。
ここでは、糖尿病の方が夏を安全に乗り切るためのポイントを、わかりやすくご紹介します。
なぜ糖尿病だと熱中症に注意が必要?
糖尿病があると、以下のような理由で熱中症のリスクが高まります:
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血糖値が高いと尿量が増え、水分が失われやすい
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自律神経障害があると、汗が出にくく体温調節が乱れやすい
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脱水が進むと、さらに血糖値が上がるという悪循環に
特に高齢の方、腎機能が低下している方は、脱水に気づきにくいこともあります。
尿の色は水分状態のバロメーター
「尿の色」は脱水のサインを知る手がかりになります。
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薄い黄色:適度な水分状態
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濃い黄色〜茶色っぽい:脱水が進んでいる可能性
また、「尿の回数が少ない」「朝、口が乾く」「体重が急に減る」なども水分不足の兆候です。
毎日の尿チェックを、脱水のサインとして活用してみましょう。
SGLT2阻害薬を使っている方は特に注意
「カナグル」「スーグラ」「ジャディアンス」「デベルザ」「フォシーガ」「ルセフィ」などのSGLT2阻害薬を使用している方は、さらに慎重な水分管理が必要です。
これらの薬は、尿と一緒に糖を排出する作用があり、水分も一緒に失われやすいという特徴があります。
暑い時期には、知らないうちに慢性的な脱水状態になる可能性も。
水分補給の工夫(糖尿病の方向け)
基本のポイント
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喉が渇く前に、1日1〜1.5Lを目安にこまめに飲む
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糖分の多いスポーツドリンクは避ける
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水だけでなく、塩分・ミネラルの補給も意識する
おすすめの補給法
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麦茶+ひとつまみの塩 → カフェインゼロで水分保持にも有効
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経口補水液(OS-1など) → 糖分を含むため、必要な場面だけに活用しましょう
このような症状があれば、すぐにご相談を
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強いだるさ・頭痛・めまい・吐き気
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尿量の著しい減少
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血糖値が高く、脱水症状もあるとき(多尿・のどの渇き・倦怠感など)
糖尿病がある方は、軽い脱水でも血糖コントロールが崩れやすくなります。
「なんとなくいつもと違う」と感じたら、無理をせず早めの受診をご検討ください。
まとめ
熱中症は、日ごろのちょっとした気づきと習慣の工夫で防げるものです。
糖尿病の方は、「水分」「塩分」「血糖コントロール」の3つの柱を意識し、
元気に夏を乗り切りましょう。
