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忙しいあなたへ
コンビニ・スーパーでできる“からだにやさしい食事の選び方”

忙しい毎日、ゆっくり料理をする時間がとれない…という方も多いと思います。
それでも、ちょっとした選び方の工夫で、コンビニやスーパーの食材からでも体にやさしい“整った食事”は十分に実現できます。
ここでは、「簡単に」「すぐに」取り入れられる食品の選び方をご紹介します。

● パンや麺より、「ごはん」が安心です

コンビニやスーパーで食事を選ぶとき、パンや麺類は手軽で便利ですが、血糖値を急上昇させやすい食品が多く含まれています。白いパン、菓子パン、カップ麺、うどんなどは消化吸収が早く、食後血糖が大きく上下しやすいため、糖尿病のある方には注意が必要です。

それに比べて、ごはん(とくに玄米や雑穀入りのパックごはん)は、食物繊維やミネラルが豊富で糖の吸収もゆるやか。血糖コントロールに適した主食といえます。忙しいときや外出先では、鮭や梅などのシンプルなおにぎりも、パンより血糖値が安定しやすく、手軽に取り入れられる選択肢です。選ぶ際には、白米よりも玄米や雑穀米入りのものを意識すると、栄養価も高まり安心です。

どうしてもパンを選びたい場合には、原材料表示や油脂の種類に注目してみましょう。菓子パンや惣菜パンには、マーガリンやショートニングなどの加工油脂が多く使われていることがあり、トランス脂肪酸の摂取が気になる場合もあります。比較的安心なのは、小麦粉・塩・イーストなど、シンプルな材料で作られた「ハード系のパン(バゲットなど)」です。余計な添加物や油脂が少なく、素材が明確なパンは、食事として取り入れやすい選択肢です。

● 加工が少なく、素材に近いたんぱく源を選ぶ

納豆、豆腐、ゆで卵などは、そのまま食べられて高たんぱく・低糖質な優秀食材です。
魚の水煮缶(サバ・いわしなど)は、良質な脂質であるEPAやDHAを含み、常備しやすく手軽に取り入れられます。
サラダチキンや冷凍の鶏むね肉も便利ですが、原材料表示がシンプルなものを選ぶことで、より自然に近い形でたんぱく質を摂ることができます。

鶏むね肉は、自宅でゆでてスライスし、保存容器に入れて冷蔵しておくと、いつでも使えるたんぱく源としてとても便利です。サラダやスープ、主菜の一品など、いろいろな場面で活用できます。

● 野菜や海藻は「そのまま」または「シンプルに加熱できる」形で取り入れる

・冷凍野菜(ブロッコリー、オクラ、ほうれん草など)は、塩や油が加えられていないものを選ぶと、さまざまな調理に活用できます。
・カット野菜や千切りキャベツは、ポン酢やごまなどをかけるだけでも、手軽なサラダになります。
・わかめ、もずく酢、めかぶなどの海藻類は、食物繊維やミネラルが豊富で、腸にやさしく、日々の食事にぜひ取り入れたい食材です。

● 発酵食品の力を日々の食事に

・味噌汁を作る際は、「天然醸造・無添加」と書かれた味噌をお湯に溶かすだけでも、立派な一品になります。
・即席味噌汁を選ぶ場合は、塩分や保存料が控えめで、原材料が明確なものを選ぶとより安心です。
・キムチや漬物などの発酵食品も、保存料や甘味料の使用が少ない製品を選ぶことで、自然な発酵の力を取り入れやすくなります。

※高血圧症や腎臓病などでナトリウム制限が必要な方は、味噌や漬物などの発酵食品は塩分の摂り過ぎに注意が必要です

● 飲み物・おやつも「甘さ控えめ、素材を生かしたもの」を選ぶ

飲み物やおやつを選ぶときは、できるだけ甘さを控えて、素材の味をいかしたシンプルなものを意識してみましょう。

おやつは、本当はないにこしたことはありませんが、どうしてもお腹がすいたときや、間食の習慣がある方は、選び方がとても大切です。素焼きナッツ、ゆで卵、無糖のプレーンヨーグルトなどは、糖質が少なく、血糖値が急に上がりにくいため安心して取り入れられます。

また、甘いものが続いてしまったときは、うるち米としょうゆだけで作られたシンプルなおせんべいも、塩味の気分転換としておすすめです。どのおやつも、少しずつ、ゆっくり味わうことが大切です。

飲み物は、水、麦茶、無糖の炭酸水など、血糖にほとんど影響しないものを基本にしましょう。甘い飲み物は、少しの量でも血糖値を大きく上げることがあるため、なるべく控えるのが安心です。

とくに気をつけたいのが、原材料表示にある「異性化糖」と呼ばれる糖類です。これは、「果糖ぶどう糖液糖」や「ぶどう糖果糖液糖」「高果糖液糖」など、いろいろな名前で表示されていることがあります。こうした糖類は、血糖値を上げるだけでなく、中性脂肪の増加や脂肪肝との関係も指摘されています。商品を選ぶときには、できるだけこれらの表示がないものを選ぶ習慣をつけていくと安心です。

● ラベルを見るときのちょっとしたコツ

食品を選ぶときは、原材料表示をそっと確認するだけでも、健康的な選択に近づくヒントになります。

たとえば、米や野菜、豆、魚など、ふだんから目にする素材の名前が並んでいる食品は、加工度が比較的低く、安心して日々の食事に取り入れやすい傾向があります。こうした食品は、血糖の安定や腸内環境のサポート、体内の炎症をやわらげる働きも期待できます。

一方で、植物油脂やアミノ酸等、〇〇エキス、たん白加水分解物など、成分の名前が少し複雑な印象を受ける食品もあります。これらは保存性や風味の向上を目的に使われていることが多く、すべてを避ける必要はありません。ただ、糖尿病の予防や血糖管理、そして体全体の健康を考えるうえでも、こうした食品を日常的にとる頻度を少し減らすことは、体への負担をやわらげる助けになります。

食品はどれも、私たちの生活を支える大切な存在です。大切なのは「避けること」ではなく、自分の体調や目的に応じて、ちょっとした工夫でより良い選択を重ねていくことです。

まとめ

忙しい毎日の中でも、「何を選ぶか」「どう組み合わせるか」を少し意識するだけで、体にやさしい食生活は十分に実現できます。完璧を目指す必要はありません。できることから、無理なく、心地よく。
日々の小さな積み重ねが、未来の健康につながっていきます。

千葉駅前クリニック

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